AMDIS 入力データ形式 (2003年11月改訂版)

Excitation,Ionization、及び、Recombination Dataについて、AMDISに登録しやすい形の データフォーマットを示します。この形式に従ってなくても、入力作業を いたしますが、作業効率向上のために、このフォーマットに従っていただけると 幸いです。

1.概要

AMDISのデータは、文献の情報を記載するリファレンスと 実際のデータをいれるデータから成ります。

両ファイルに共通な規則を以下に示します。

# .... コメント行
+ .... 継続行(行の先頭に付ける) 一行は128文字以内とし、それを越える場合、使用します。
! .... データの区切り

データは半角英数字のみを使用してください。 空白(ブランク)も全角文字は使用しないでください。
各データ並びは、項目名、カラム名(項目名の略称)、カラム内容(データ) で構成され、それぞれは、一つ以上の空白またはタブ(TAB)で仕切られます。

2. リファレンスファイル

2.1 サンプル

#
Author     AU    Kato, T.$Safronova, U.$Ohira, M.
Title      TI    Dielectoronic Recomibination Rate Coefficients to the Excited States of CII from CIII
#
JnName                  JNA   PRA
Volume                  VI    47 
Page                    IP    2888 
DateofPub               DP    1993
AM-INSPEC-Record-Number AMRN
ORNL-Record-Number      ORNLRN
COMMENT                 CM1  

2.2 各項目解説

データを収録している文献ごとに用意します。
以下の情報が含まれていれば、細かい形式にこだわらなくても かまいません。

AU
著者名。Last Nameを先に書く。複数書く場合は、間を"$"でくぎる
(例) Thomas Alva Edison, Bill Gates の場合
Author AU Edison, T.A.$Gates, B.
TI
タイトル。論文のタイトルを書く。上付き文字、下付き文字を できるだけ使用しないことが望ましい。
使う場合は、上付き文字は"^"と"`"で、下付き文字は"\"と"`"で囲む。
JNA
雑誌名の略称。Journal名略称一覧参照。 雑誌等に未発表のデータの場合、PC (Private Communication)と入力する。
VI
雑誌のVolume No.を数字で入力する。
IP
ページ番号、論文のページがp.207〜p.250だったら、 207-250と書く。(開始ページだけでもよい) もしページがL105とかと書かれている場合(Letterの場合など)は Lを付けて入力する。
DP
発行年。提出年ではなく雑誌の発行年を書く。
AMRN
Nifs AMデータベースに登録されている場合、そのレコード番号を入力する (この項目は、入力しなくてかまいません)。
ORNLRN
Nifs ORNLデータベースに登録されている場合、そのレコード番号を入力する (この項目は、入力しなくてかまいません)。
CM1
リファレンスに関係するコメントを書く

3. データファイル

3.1. サンプル

(1)Ionizationの場合のサンプル


Record-Number        RN      12345
Process              PR      ION
Theory-or-Experiment TE      E
Method               TA      BC 
Element              EL      Si
Ionic-STate          IST     +7
Initial-State        INS     Si +7
Initial-Ion-Conf     CI
FInal-State          FIS     Si +8
Final-Ion-Conf       CF
Data-Producer        PD
Transition-Energy    EN      303.87
OSC.Strength         OS
Number-of-Datapoints ND      21
Org-E-EXP            SEE     1
Org-CS-EXP           CSS     A
Comment              CM      Test data by katomasa
Ref-ID               RI      
#
Normalize-10-X       NRM10X  1
Normalize-10-Y       NRM10Y  -18
#
Data-Point-X         DTPNTX  200,298,323,347,372,386,396,421,
+445,470,494,519,544,593,642,740,789,888,986,1182,1363
Data-Point-Y         DTPNTY  0.019,0.004,0.127,0.298,0.355,
+0.397,0.500,0.522,0.662,0.642,0.756,0.781,0.826,0.860,0.877,
+0.917,0.878,0.952,0.890,0.821,0.812
#
Error-Range-X        ERRNGX
Error-Range-Y        ERRNGY  0.072,,0.047,,0.046,,0.033,,0.044,,
+0.065,,0.036,,0.045,,0.040,,0.037,,0.059,,0.067,,0.041,,0.067,,
+0.040,,0.055,,0.069,,0.056,,0.064,,0.057,,0.056,0.056
#
!
(以下次のデータに続く)

(2)Excitationの場合のサンプル

JJ-coupling形式のデータは(3)を参照


Record-Number        RN      12345
Process              PR      EXC
Theory-or-Experiment TE      E
Method               TA      BM
Element              EL      Ar
Ionic-STate          IST     +0
INitial-State        INS     3p^5`4s ^1`P\1`
FInal-State          FIS     3p^6` ^1`S
Data-Producer        PD
Transition-Energy    EN      11.83
OSC.Strength         OS
Number-of-Datapoints ND      40
Org-E-EXP            SEE     1
Org-CS-EXP           CSS     A
Comment              CM      The apparatus and an absolute
Ref-ID               RI      
#
Normalize-10-X       NRM10X  0
Normalize-10-Y       NRM10Y  -18
#
Data-Point-X         DTPNTX 15,18,20,22,24,26,28,30,32,34,
+37,39,43,44,47,49,54,58,64,68,
+74,78,80,82,88,98,100,110,120,140,
+150,200,300,400,500,600,700,800,900,1000
Data-Point-Y         DTPNTY 2.37,0.54,1.52,3.59,5.07,7.69,6.53,6.64,8.17,7.9,
+6.8,7.53,6.15,7.01,6.05,6.09,6.93,6.2,5.65,5.85,
+5.76,5.26,5.04,5.28,5.23,5.16,5.01,4.86,4.84,4.92,
+4.38,3.81,3.08,2.41,2.23,1.79,1.81,1.29,1.25,1.42 
Error-Range-X        ERRNGX
Error-Range-Y        ERRNGY
#
!
(以下、次のデータに続く)

(3)Excitation(JJ coupling, Rate coefficient)の場合のサンプル

#
Record-Number        RN      54321
Process              PR      ERC
Theory-or-Experiment TE      T
Method               TA      RDW
Element              EL      Se
Ionic-STate          IST     24
Initial-State        INS     (2p\1/2`3p\1/2`)\0`
Initial-Ion-Conf     CI      
Config-Of-Initial    ICO     2p(1/2)3p(1/2)
Initial-J            IJ      0
FInal-State          FIS     (2s3d\5/2`)\2`
Final-Ion-Conf       CF      
Config-Of-Final      FCO     2s 3d(5/2)
Final-J              FJ      2
Data-Producer        PD      
Transition-Energy    EN      231.3
OSC.Strength         OS      
Number-of-Datapoints ND      4
Org-E-EXP            SEE     1
Org-CS-EXP           CSS     F
Comment              CM      Table II, direct electron-impact excitation
Ref-ID               RI      
#
Normalize-10-X       NRM10X  0
Normalize-10-Y       NRM10Y  0
#
Data-Point-X         DTPNTX  100,500,1000,2000
Data-Point-Y         DTPNTY  1.96e-13,6.06e-13,5.69e-13,4.76e-13
#
Error-Range-X        ERRNGX
Error-Range-Y        ERRNGY  
#

(4)Recombinationの場合のサンプル

Record-Number         RN                30100
Theory-or-Experiment  TE                T
Method                TA                MCHF
Y-Axis-Unit-Type      YTYP              RC-NM
Org-X-Axis-Unit-Type  XORG              eV
Process               RCTYP             DR
Element               EL                C
Ionic-State           IST               +2
INItial-State         INS               +2
Initial-ION-Conf      CI                
Final-State           FIS               +1
Final-ION-Conf        CF                2s^2`2p^2` ^3`P
Data-Producer         PD                
Fitting-Equation      FITEQ             (A1*EXP(-E1/Te)+A2*EXP(-E2/Te))^(3/2)
Fitting-Parameter     FITP              A1=1.051e-13,E1=1.723e+00,A2=1.088e-12,E2=3.887e+00
Transition-Energy     EN                
Number-of-DataPoints  ND                31
Comment               CM                
NormalizE-10-X        NRM10X            0
NormalizE-10-Y        NRM10Y            0
Data-Point-X          DTPNTX 
+0.10000,0.12589,0.15849,0.19953,0.25119,0.31623,0.39811,0.50119,0.63096,0.79433,
+1.00000,1.25893,1.58489,1.99526,2.51189,3.16228,3.98107,5.01187,6.30957,7.94328,
+10.00000,12.58925,15.84893,19.95262,25.11886,31.62278,39.81072,50.11872,63.09573,79.43282,
+100.00000
Data-Point-Y          DTPNTY 
+1.09322e-19,2.67750e-18,3.16389e-17,2.09585e-16,8.77857e-16,2.57083e-15,5.76964e-15,1.08320e-14,1.82493e-14,2.84848e-14,
+4.10748e-14,5.40663e-14,6.46971e-14,7.07509e-14,7.14499e-14,6.74370e-14,6.01767e-14,5.12906e-14,4.21218e-14,3.35719e-14,
+2.61224e-14,1.99390e-14,1.49874e-14,1.11284e-14,8.18278e-15,5.97029e-15,4.32918e-15,3.12377e-15,2.24520e-15,1.60872e-15,
+1.14983e-15
Error-X-Plus          XEP               
Error-X-Minus         XEM               
Error-Y-Plus          YEP               
Error-Y-Minus         YEM               
Reference-Number      RI                
Graph-URL             GRPURL            
#
!
(以下次のデータに続く)

3.2 各項目解説

3.2.1 Excitation,Ionization

データは、1つの反応式ごとに、1つ作る。 データとデータの区切りには"!"だけが入った行を挿入する。

RN
レコード番号。適当に決めてかまわないが、番号順になるように入力する。 このデータは、実際に入力される際には別の番号にリナンバリングされる。
PR
Processを指定
TE
T(理論値)またはE(実験値)を指定
TA
理論、あるいは実験の手法略称。 手法略称一覧 参照。 略称の方を入力する。一覧にない場合はここは空白にしてください。
EL
元素名。元素記号で記入。
IST
Ionic State
INS
Initial State。 Ionizationでは、元素名 +スペース+Initial Ionic Statesを入力。 Excitationでは、Configrationを入力。
Configurationを書く場合、上付き文字は"^"と"`"で、 下付き文字は"\"と"`"で囲む。(JJ-couplingの場合は3.2.1a参照)
CI
Initial Ion Configration
Ionizationの場合に必要なら指定。
FIS
Final State Initialの場合と同様な書式で入力する。
CF
Final Ion Configration Initialの場合と同様な書式で入力する。
PD
Data-Producer AuthorとData Producerが異なる場合のみ、入力する。
EN
Transition Energy を eV単位で入力 (データがない場合のみ省略可)
OS
Oscillator Strengthを入力 (省略可)
ND
データの数を入力
SEE
CSS
CM
コメント
RI
この項目は空白にしておく
NRM10X
エネルギーの値のNormalize値(10のべき乗)
NRM10Y
断面積のNormalize値(10のべき乗)
DTPNTX
X軸のデータ、すなわち、エネルギー値を入力する。 NRM10Xの値でNormalizeされた値を入力する。 データとデータの間には空白をいれない。 継続行の場合も、2バイト目からデータを記入。 データとデータの間は","でくぎる。入力可能文字数は約10000文字。
DTPNTY
Y軸のデータ、すなわち、断面積を入力する。 順番はDTPNTXと同じにする。 NRM10Yの値で正規化(Normalize)された値を入力する。

(例) Y(1)=1.56E-13で、エラーデータが(+0.8E-13,-0.7E-13), Y(2)=9.88E-14で、エラーデータが(+3.1E-14,-1.1E-14)とすると、

NRM10Y -13
DTPNTY 1.56,0.988
ERRNGY 0.8,0.7,0.31,0.11 (ERRNGYの項を参照)
ERRNGX
X軸のデータのエラーデータを入力する。プラス値の値、 マイナス値の値(マイナス符号は除いて入力)の順に カンマで区切って入力。マイナス符号の方は、カンマだけを 入力することにより省略可能。入力可能文字数は約10000文字。
(例) 0.1,,0.2,,0.3,0.4
のデータは、
(+0.1,-0.1),(+0.2,-0.2),(+0.3,-0.4)
のXのデータに、3つのエラーデータがあることを意味する。

ERRNGY
X軸のデータのエラーデータを入力する。 データの形式はERRNGXと同様。

3.2.1a Excitation JJ-coupling形式のデータ入力

configrationの形式が、JJ-couplingのデータの入力方法を以下に説明します。 異なる点はINS,FIS,ICO,FCO,IJ,FJの項目のみで、他は同じです。

INS, FIS
JJ-couplelingの形式で入力する(上付、下付の表現方法は、3.2.1と同じ)
ICO, FCO
INS, FISの括弧内の文字を書き写す。2p3pなどとつながっている部分は、 スペースで分けて書く。下付文字の部分は()に書き直す。
IJ, FJ
式の最後に、下付数字で書かれているJの値を入力する(JJ-couplingの場合、省略不可)

(例) initial state が(2p1/23p1/2)0、 final stateが(2p3d5/2)2 の場合

Initial-State        INS     (2p\1/2`3p\1/2`)\0`
Initial-Ion-Conf     CI      
Config-Of-Initial    ICO     2p(1/2) 3p(1/2)   (←下付文字等は括弧で記述。スペースで分けて書く)
Initial-J            IJ      0
FInal-State          FIS     (2s3d\5/2`)\2`
Final-Ion-Conf       CF      
Config-Of-Final      FCO     2s 3d(5/2)       (←スペースで分けて書く)
Final-J              FJ      2

ICOやFCOは検索の時に使用される。

3.2.2 Recombination

データは、1つの反応式ごとに、1つ作る。 データとデータの区切りには"!"だけが入った行を挿入する。

RN
レコード番号。適当に決めてかまわないが、番号順になるように入力する。 このデータは、実際に入力される際には別の番号にリナンバリングされる。
TE
T(理論値)またはE(実験値)を指定
TA
理論、あるいは実験の手法略称。 手法略称一覧 参照。 略称の方を入力する。一覧にない場合はここは空白にする。
YTYP
Y軸のデータの種別 入力するY軸のデータの種別を指定する。 このデータベースでは、Rate Coefficient(Maxwellian), Rate Coefficient(Non-Maxwellian), Cross section の三種類のデータが扱える。
XORG
オリジナルデータの単位。 論文で使用しているエネルギーの単位を指定(eVかK)。
RCTYP
Recombinationのタイプ。 Recombinationのタイプを指定。混在している時は、+でつないで複数書くことができる。
(例:DR+TBR)
EL
元素名。元素記号で記入。
IST
Ionic State Initial Ionic Stateを数値で入力。元素名は不要。
INS
Initial State Initial Ionic Stateを数値で入力。元素名は不要。
CI
Initial Ion Configration
Configration等を入力。
Configurationを書く場合、上付き文字は"^"と"`"で、 下付き文字は"\"と"`"で囲む。
FIS
Final State Final Ionic Stateを数値で入力。元素名は不要。
CF
Final Ion Configration Initialの場合と同様な書式で入力する。
PD
Data-Producer AuthorとData Producerが異なる場合のみ、入力する。
FITEQ
Fitting-Equation 数値データが理論式で作られている場合、その理論式を記述する。
FITP
Fitting-Parameter 理論式で使われているパラメータを記述する。
EN
Transition Energy を eV単位で入力
ND
データの数を入力
CM
コメント
RI
この項目は空白にしておく
NRM10X
エネルギーの値のNormalize値(10のべき乗)
NRM10Y
断面積または速度係数のNormalize値(10のべき乗)
DTPNTX
X軸のデータ、すなわち、エネルギー値を入力する。 NRM10Xの値でNormalizeされた値を入力する。 データとデータの間には空白をいれない。 継続行の場合も、2バイト目からデータを記入。 データとデータの間は","でくぎる。約10000文字のデータが入力可能。
DTPNTY
Y軸のデータ、すなわち、断面積または速度係数を入力する。 順番はDTPNTXと同じにする。 NRM10Yの値で正規化(Normalize)された値を入力する。

(例) Y(1)=1.56E-13で、エラーデータが(+0.8E-13,-0.7E-13), Y(2)=9.88E-14で、エラーデータが(+3.1E-14,-1.1E-14)とすると、

NRM10Y -13
DTPNTY 1.56,0.988
ERRNGY 0.8,0.7,0.31,0.11 (ERRNGYの項を参照)
XEP
X軸のデータのプラスのエラーデータを 入力する。順番はDTPNTYと同じにする。 データは約10000文字以内に収めること。 AMDIS Excitation,Ionizationとフォーマットが異なることに注意。
XEM
X軸のデータのマイナスのエラーデータを 入力する。マイナスの符号はつけない。順番はDTPNTYと同じにする。
(例)
3つのデータポイントのそれぞれのエラーデータが
(+0.1,-0.1),(+0.2,-0.2),(+0.3,-0.4)
XEPとXEMは以下のようになる。

Error-X-Plus                     XEP      0.1,0.2,0.3
Error-X-Minus                    XEM      0.1,0.2,0.4

YEP
Y軸のデータのプラスのエラーデータを入力する。 データの形式はXEPと同様。
YEM
Y軸のデータのマイナスのエラーデータを入力する。 データの形式はXEPと同様。

3.3 データ入力の際の注意点

以前、AMDIS ExcitationとIonizationでは、 DTPNTX,DTPNTY,ERRNGX,ERRNGYの各項目は、 それぞれ2000文字しか入力できませんでしたが、 現在は、約10000文字まで入力できます。

AMDIS Recomibinationでは、 DTPNTX,DTPNTY,XEP,XEM,YEP,YEMの各項目は、約10000文字まで 入力できます。

4.テンプレートファイル

各自、コピーして使用してください。 各項目に相当するデータ内容がない場合、その項目に関する行は 削除せず、データを空白のまま残してください。

  1. リファレンス
  2. データ(ExcitationとIonization用)
  3. データ(Excitation JJ-coupling用)
  4. データ(Recombination用)

最終更新 2003.12.9